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アトリエ・エルスールからエルスール財団へ 詩とダンスのために いま、新たなページが始まる

賞の制定

エルスール財団新人賞について

エルスール財団では、日本の「詩」と「ダンス」の未来を担うアーティストを応援するため「エルスール財団新人賞」を制定する。ジャンルは「現代詩」「コンテンポラリーダンス」「フラメンコ」の3つとし、毎年11月から翌年10月までの間に顕著な活躍が認められた新人1名(1組)を選んで顕彰する。


名称: エルスール財団新人賞

主催: 一般財団法人エルスール財団

部門: 現代詩、コンテンポラリーダンス、フラメンコの3ジャンル各1名(1組)


対象: その年もっとも活躍した新人


発表場所: エルスール財団ホームページ(http://www.elsurfoundation.com)


発表時期: 11月初旬


正賞・副賞: 賞状、楯、賞金10万円


選考委員:
【現代詩】野村喜和夫
【コンテンポラリーダンス】乗越たかお
【フラメンコ】野村眞里子

理念:
【現代詩】
この賞の特徴は、詩集ではなく詩人に与えられるということです。具体的には、年末近くに、その年の中原中也賞、H氏賞、歴程新鋭賞、日本詩人クラブ新人賞、現代詩手帖賞、ユリイカの新鋭、詩と思想新人賞などの受賞者およびその候補者、あるいはそれと同等の活躍をしたとみなされる新人の書き手を対象とし、そのなかから、まさに新人のなかの新人ともいうべきひとりを選んで顕彰します。

【コンテンポラリーダンス】
「コンテンポラリーダンス」の定義にこだわれば、数ページを費やすことも可能でしょう。こうしたこの同時代のダンスの多様性・あいまいさも考慮に入れながら、そのすべてを俯瞰したうえで「今年の新人」を選んで顕彰します。この賞の特徴としては、独自にコンクールを行ってその優勝者を選ぶのではなく、各種公演(自主公演、コンクール、新人公演など)を選考委員が観させていただいて選ぶということです。

【フラメンコ】
フラメンコの伝統や背景を理解し、かつ高度なテクニックを習得していることはもちろんのこと、フラメンコの可能性をひろげるような意欲的・野心的な公演活動を続けている「今年の新人}(ソロデビュー後およそ3年以内)を顕彰します。この賞の特徴としては、独自にコンクールを行ってその優勝者を選ぶのではなく、各種公演(自主公演、コンクール、新人公演など)やタブラオでのライブを選考委員が観させていただいて選ぶということです。


第1回エルスール財団新人賞

【現代詩部門】 金子鉄夫

<贈賞理由>
詩集『ちちこわし』を中心とするその詩作は、どこか言語の暴力性を標榜した1960年代詩人の再来を思わせながら、しかしもちろん、2010年代初頭のいまならではのあたらしさに充ち満ちてもいて、それは、明るい絶望あるいは希望なき希望という語義矛盾を詩の空間においてどこまでも生き抜こうとする意志、とでもいおうか。そうしてそこから、別様の得体の知れない身体性を獲得しようと苦闘しているひとりの青年の姿が浮かび上がってくる。日本の現代詩を書き換えてゆく可能性をもった注目すべき新鋭として顕彰に値する。

(選考委員:野村喜和夫)


【コンテンポラリー・ダンス部門】 川村美紀子

<選考理由>
ヒップホップをベースにしつつも、深い理解でオリジナルの動きを創り出している川村美紀子。ひとたび踊り出すと爆発的なエネルギーと薄玻璃のような繊細さを見せる卓越したソロのみならず、グループワークでも恐るべき表現者としての頭角を見せた。ダンスで演じ、振付で見せ、作品全体の演出でも表現できる。大いなる才能の登場である。

(選考委員:乗越たかお)


【フラメンコ部門】 太田マキ

<受賞理由>
フラメンコのテクニックにおいて優れ、アイレ(フラメンコ特有の雰囲気)を伝える力を有している。またリサイタル開催など、アーティストとしての意欲的な活動を続けていることも称賛したい。
<解説>
太田マキさんは、幼少からクラシックバレエ、モダンバレエ、ピアノに親しまれ、さらには東京外国語大学外国語学部スペイン語学科でスペイン語を学ばれるなど、外国人がフラメンコを踊るためにはこれ以上ないというようなたいへん恵まれた環境の中で、研鑽を積んでこられました。2010年7月、岡本倫子スペイン舞踊団独立後は、タブラオ、イベント、DVD等に出演、またリサイタルも連続して開催されるなど、たいへん意欲的な活動をされています。
太田さんの踊りの特徴は、振付の新しさや奇抜さに頼るのではなく、歌をじっくりと聴きながらていねいに踊りあげていく王道のスタイルです。もっとも目を見はったのは、日本フラメンコ協会主催『第21回新人公演』3日目(8月26日)での「ソレア」の踊りです。踊りの後半、「ブレリア」に入ったところで歌い手が歌い始めると、太田さんはマルカール(フラメンコの踊りの中でリズムを刻む動き)だけでバックのミュージシャンとひとつになり、たいへんな感動を会場に伝えました。マルカールだけで見せられる踊り手は、スペインでもそんなには多くはありません。私はそこに、長いあいだの太田さんの努力の結晶を垣間見た思いがしました。
フラメンコの踊り手としてはまだまだ未熟な部分もありますが、彼女のその「のびしろ」に大いなる期待を込めて、「第1回エルスール財団新人賞」をお贈りしたいと思います。

(選考委員:野村眞里子)


なお、賞についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
info@elsurfoundation.com


第2回エルスール財団新人賞

【現代詩部門】 近藤弘文

<贈賞理由>
詩とは、つきつめていえば言葉の関係をめぐる冒険である。エルスール新人賞は、その冒険を担うべき真にスリリングな詩人の登場を注視している。近藤弘文には「現代詩手帖」投稿時から注目していたが、このたびの詩集『燐の犬』には、言葉の関係をめぐって、その挑発的な揺さぶりや暴力的な組み替えが心憎いばかりに徹底されていて、目を見張らせるものがある。しかもそこには、3・11以降の不安な状況が反映されてもいる。近藤弘文こそ、本年度のエルスール新人賞現代詩部門にふさわしいと確信する。

選考委員:野村喜和夫、金子鉄夫(前年度受賞者)


【コンテンポラリー・ダンス部門】 関かおり

<贈賞理由>
関かおりのダンスは、これまでにない類の濃密なダンスである。ソロにおいては少女のような見た目に反して、根源に激しい毒がどろりと横たわっている。グループ作品では、接触によって互いの存在が綻び、そして繋がる一瞬が紡がれていく。また香りを使用する作品では、観客は五感を総動員して立ち向かうことになる。ダンスを加速ではなく深める方法で、新たな地平に立っているのだ。

選考委員:乗越たかお


【フラメンコ部門】 瀬戸口琴葉

<贈賞理由>
瀬戸口琴葉さんは、サパテアードを含めたフラメンコのテクニックにも卓越していますが、その集中力と爆発力には目を見張るものがあります。今年の夏、日本フラメンコ協会主催の『新人公演』で彼女が踊られた「ソレア」には、彼女のよさが如実に現れていました。バックのミュージシャンの歌やファルセータ、そして師である矢野吉峰氏のパルマもすべて自分のうちに取り込んで舞う姿がすがすがしく、新しい才能の誕生を見る思いでした。期待しています。

選考委員:野村眞里子



なお、賞についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
info@elsurfoundation.com


第3回エルスール財団新人賞

【現代詩部門】 小峰慎也

<贈賞理由>
小峰慎也を発見しよう。小峰氏はすでに十年以上のキャリアをもち、新人かどうか異論もあるところだろうが、あえて指名したい。氏は私家版の小さな冊子というかたちで作品を発表しつづけているため、一般の眼には届きにくいが、その詩法は、あらゆる感情を排した言葉そのものの力によって、いわば行為としての詩という趣を打ち出すものであって、きわめて個性的かつ衝撃的である。ひろく顕彰するに値すると確信する。

選考委員:野村喜和夫、近藤弘文(前年度受賞者)


【コンテンポラリー・ダンス部門】 北尾亘

<贈賞理由>
北尾亘は自身が主宰するBaobabにおいて、高い身体性と様々なスタイルを溶け込ませた新しい動きを創り出している。作品においては、ときに演劇的、ときに極めて抑えた動きを貫いたりと、つねに新しい領域への挑戦を続けてきた。また長い作品もしっかり構成して創る意欲と実力も見せている。演劇などへの振付・出演もこなすなど多方面に活躍しており、そこから吸収したことを糧に、さらなる飛躍を期待できる存在である。

選考委員:乗越たかお


【フラメンコ部門】 朱雀はるな

<贈賞理由>
朱雀はるなさんは、私が数年前から注目していたバイラオーラ(フラメンコ女性舞踊手)で、昨年は日本フラメンコ協会主催の『新人公演』で奨励賞を受賞されました。すでにパーカッショニストとして活躍されているという異色のキャリアの持ち主で、リズム感のよさはもちろんのこと、新人らしからぬ「フラメンコ体質」と「ペソ(重々しさ)のある踊り」に圧倒されます。今年はオペラ『アイナダマール』で読売交響楽団と共演され、ますます活動の幅を広げられたようです。今後のさらなる活躍を期待しつつ、新人賞をお贈りしたいと思います。

選考委員:野村眞里子



なお、賞についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
info@elsurfoundation.com

第4回エルスール財団新人賞

【現代詩部門】 カニエ・ナハ

<贈賞理由>
カニエ・ナハは、ユリイカの新人に選ばれて以来注目していた才能であるが、ここ数年、『オーケストラ・リハーサル』、『MU』、『用意された食卓』とたてつづけにすぐれた詩集を刊行し、旺盛な詩作を展開している。それは簡潔かつインパクトある言葉で「この世の露光時間」をとらえようとする本格の手つきだ。また、詩作と並行して同時代の詩人たちの手製詩集の制作にも携わっており、今後とも多方面での活躍が期待できる詩人である。エルスール賞を呈上することによって、大いなるエールを送りたい。

選考委員:野村喜和夫(詩人)

<贈賞理由>
カニエ・ナハ氏の作品は、不安定だ。詩集『MU』(2014)の中の「永劫回避」という作品では、文や文章というものが、永遠に了解されないための機能へと踏み出している。何かにつきあたる直前のところをぐるぐるまわっているのだ。直前の場所にこそ鉱脈があったかのように、まわっているうちに迫ってくるもの。そして、『用意された食卓』(2015)では、鉱脈をさらに決定的に展開して引きのばしている。その確信と不安。賞にふさわしいと思う。

選考委員:小峰慎也(詩人・第3回エルスール財団新人賞受賞者)


【コンテンポラリー・ダンス部門】 かえるP

<贈賞理由>
従来この賞は個人に贈られてきたが、今回初めてユニットでの受賞となる。
しかもちょっと「なんだこれ?」と思うような名前だ。かえるP。深くは問うまい。大園康司と橋本規靖のユニットで、作品ごとにメンバーを加えて上演するスタイルである。
その作風は、作品ごとにゴロゴロ変わる。演劇的なものから、身体性勝負の作品、劇場以外のサイトスペシフィックな作品、様々だ。だが共通しているのは「身体の動き」と「身体のあり方」へのこだわりである。
その成果が結実するにはもう少し時間がかかるだろう。だがもはや「新しさ探し」から脱却したコンテンポラリー・ダンスが、次に向かう豊かさの一端を担う者として、いまここで応援の新人賞を贈りたい。

選考委員:乗越たかお(作家・ヤサぐれ舞踊評論家)


【フラメンコ部門】 土方憲人

<贈賞理由>
土方憲人さんは、「元高校球児」という少し変わった経歴の持ち主です。2008年より、叔母である大塚千津子氏の元でフラメンコを始められ、5年後の2013年のCAFフラメンココンクールではコンセルバトリオ賞を受賞されました。コンクール本選で拝見した時には、体の基礎訓練もしっかりとされていて、歌振りやエスコビージャをきちんと踊り上げていく正統派のバイラオールとお見受けしました。2度のスペイン留学を経て、ますますフラメンコへの理解を深め、アイレや観客への見せ方・伝え方をしっかり身に付けられたようです。2015年の日本フラメンコ協会主催『新人公演』では奨励賞も受賞されました。クラシックバレエやコンテンポラリーダンスも学ぶ視野の広さとフラメンコへのあくなき探求心――ご自分の世界をしっかりと持った大型の新人として、劇場やタブラオで幅広く活動されるのを楽しみにしております。ますますのご活躍を願って、第4回エルスール財団新人賞をお贈りしたいと思います。

選考委員:野村眞里子(プロデューサー、フラメンコ舞踊家)



なお、賞についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
info@elsurfoundation.com

第5回エルスール財団新人賞

【現代詩部門】 柴田聡子

<贈賞理由>
後日、記載します。


【コンテンポラリー・ダンス部門】 中村蓉

<贈賞理由>
中村蓉は映画のワンシーンや昭和歌謡の歌詞のままに踊る作品で人気を得た。だがそれでは、あとはもう「うまくなるだけ」で、観客から楽しまれ、愛されて終わるしかない。しかし中村はここ数年、内面の強い衝動を解放するような作品を立て続けに発表しているのである。ヒリつき、痛々しく、それでも両足で踏みしめて仁王立ち。観客をワクワクさせるダンスが中村の中から沸き上がってきている今を第2のスタートとして、新人賞を贈りたい。そしてその凄みをもって、また愛される作品も踊ったらいいのだ。

選考委員:乗越たかお(作家・ヤサぐれ舞踊評論家)


【フラメンコ部門】 永田健

<贈賞理由>
今年でエルスール財団新人賞も5回目となる。今回のフラメンコ部門の受賞者永田健さんは、これまでの受賞者と比べ、すでに中堅の領域に入りつつある新人だ。それにも関わらず永田さんを選ばせていただいたのには、彼がまだご自身を「新人」ととらえ、新人公演にチャレンジし続けていらっしゃることにある。
2013年、永田さんは日本フラメンコ協会主催の新人公演で「奨励賞」を受賞された。この時、私も選考委員の一人として永田さんに投票させていただいたのだが、驚くべきことに永田さんは選考委員の満票を獲得したのだった。新人公演の長い歴史の中でこんなことは初めてだったし、「彼に特別奨励賞を出してはどうか?」という提案もあったと記憶する。
こうして鮮烈なデビューを果たした永田さんだったが、今年の新人公演で拝見したバストンの「マルティネーテ」がまたすばらしかった。並外れたフラメンコのテクニックとアイレ、さらにはドラマチックに一曲を作り上げる構成力! その時の会場の熱気はすさまじかった。
この恐るべき新人の永田健さんに、今年のエルスール財団新人賞をお贈りしたいと思う。

選考委員:野村眞里子(プロデューサー・フラメンコ舞踊家)



なお、賞についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
info@elsurfoundation.com



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